世界中でもっとも普及している
ビジュアルプログラミング言語Scratch(スクラッチ)。
Scratch 3.0の拡張機能を使用すると、
スクラッチとmicro:bit(マイクロビット)を
接続してプログラミングすることができます。
例えば、マイクロビットをコントローラーにして、
ゲームのキャラクターを操作したり、
楽器を演奏することが可能です。
今回は、スクラッチとマイクロビットを接続して
プログラミングする方法をまとめました。
スクラッチから利用できる機能
スクラッチから利用できる
マイクロビットの機能は
以下の4つです。
LEDディスプレイ
マイクロビットの表面のまん中にある
25個(5×5)の赤色に光るLEDです。
スクラッチ上でイベントが起こったとき、
マークなどを表示できます。
Aボタン、Bボタン
イベント発生のきっかけとして使用します。
ボタンを押したとき、スクラッチ上の
スプライト(キャラクター)を
動かすことなどが可能です。
加速度センサー
マイクロビットの傾きや揺れを調べることができます。
マイクロビットを動かしたり傾けたときに、
スクラッチ上のスプライトを
動かすことなどが可能です。
入力端子
マイクロビットについていない
センサーなどをワニ口クリップで接続できる
3つのIOリング。
これらの端子がGND端子と通電したときに、
スクラッチ上のイベントを発生させることができます。
(Scratch 3.0では、入力端子としてのみ制御可能)
Scratch Linkをインストールする
スクラッチとマイクロビットを接続するには、
パソコンにScratch Linkというアプリを入れる必要があります。
Scratch Linkを使える条件
Scratch Linkを使うには、
次の条件を満たしているパソコンが必要です。
- macOS 10.10 (Yosemite) または
Windows 10 バージョン 1709 (Fall Creators Update) - インターネット接続できること
- Bluetooth機能が搭載されている
Scratch Linkをダウンロード
1.スクラッチのサイトにアクセスする。
※Windows10で行った手順です。
2.パソコンのOSを選択し、少し下にスクロールする。
3.「Scratch Linkをインストールする」という項目の
「直接ダウンロード」をクリックし、ダウンロードする。
Scratch Linkをインストール
1.ダウンロードしたファイルをダブルクリックして解凍する。
2.「ScratchLinkSetup」をダブルクリックして実行する。
3.「Next」をクリックしてインストールを開始する。
4.インストールが終わったら「Finish」をクリックして完了する。
Scratch micro:bit HEXをインストールする
マイクロビットにスクラッチと接続するための
プログラムを転送します。
Scratch micro:bit HEXをダウンロード
1.スクラッチリンクのサイトに戻って
少し下にスクロールする。
2.「さあ、始めましょう」の
「Scratch micro:bit HEXをインストールする」という項目の
「Scratch micro:bit HEXファイルをダウンロードします。」を
クリックし、ダウンロードする。
Scratch micro:bit HEXをマイクロビットに転送
1.マイクロビットとパソコンをUSBケーブルで接続する。
2.ダウンロードしたファイルをダブルクリックして解凍する。
3.「Scratch micro:bit HEX」ファイルを
「MICROBIT」ドライブへドラッグ&ドロップする。
スクラッチにマイクロビットを接続する
Scratch Linkを起動
- スタートメニューから「Scratch Link」を選択し、起動する。
- 起動すると、ツールバーにアイコンが表示される。
Bluetoothをオンにする
ツールバーにBluetoothのアイコンが
表示されているか確認します。
「スタートボタン」→「設定」→「デバイス」から
オンにできます。(Windows)
マイクロビット
マイクロビットは電源が供給された状態にしておきます。
無線でつながった状態になるので
バッテリーから電源が供給されていれば
USBケーブルでパソコンとつながっていなくてもOKです。
Scratchエディタ
1.スクラッチのプログラム作成画面を開く。
2.「拡張機能を追加」ボタンをクリックする。
3.拡張機能を選ぶ画面の「micro:bit」をクリックする。
4.少し待つと、接続可能なデバイスの
一覧が表示されるのでマイクロビットの
LEDに表示された文字と対応する
マイクロビットの「接続する」をクリックする。
5.接続に成功すると「接続されました」と表示されるので、
「エディタ-へ行く」をクリックする。
左のブロック一覧に「micro:bit」という分類が追加されました。
マイクロビットと接続していると、
micro:bitのブロック一覧の横にチェックマークが表示されます。
スクラッチとマイクロビットを切断する・再接続する
切断する
micro:bitのブロック一覧の横にある
チェックマークをクリックし、
「切断する」をクリックする。
再接続する
micro:bitのブロック一覧の横にある
「!」マークをクリックする。
プログラミングして動かしてみましょう
マイクロビットに”Hello!”と表示させる
スクラッチからマイクロビットを動かしてみましょう。
「Helloを表示する」ブロックをクリックすると、
“Hello”がマイクロビットのLEDに表示されます。
ボタンを押して、ネコに”こんにちは!”と言わせる
マイクロビットでスクラッチの
スプライト(キャラクター)を動かしてみましょう。
プログラム作成エリアに
「ボタンAが押されたとき」ブロックを出し
その下に「こんにちは!と2秒言う」
ブロックをつなげてみましょう。
マイクロビットのAボタンが押されたとき、
ステージ上のネコが”こんにちは!”と言います。
MakeCodeエディターとのちがい
スクラッチとマイクロビットを接続して
プログラミングする方法について紹介しました。
MakeCodeエディターとちがうところは、
プログラムを作るたびにHEXファイルを
マイクロビットに転送する必要がないこと。
これはBluetooth接続したマイクロビットと
スクラッチが通信しあって動いているからです。
しかし、ずっとスクラッチの画面を開いて
接続しておかなければならず、
マイクロビット単体で動かすことはできません。
電子工作でマイクロビットを使う時は
MakeCodeエディターでプログラムを作った方がよいでしょう。