プログラミング教室や学習サービスを検討しているけれど、何を基準に選んだらいいか分からないと悩んでいませんか?
小学校のプログラミング教育必修化や、2025年1月の大学入学共通テストに「情報」が新設されることを受けて、子ども向けのプログラミングスクールや学習教材が増えてきました。
また、ベネッセの習い事に関するアンケート調査でプログラミングは、小学生がしてみたい習い事で3位、保護者がさせたい習い事でも3位になっていて、子ども向けプログラミング教室への関心が高まっているのが分かります。
しかし、親世代はプログラミングを習ったことがありません。しかもプログラミング教室は、学習塾のように成績が出るものではないので、効果が分かりにくいです。
時間もお金もかかることなので、教室選びを失敗したくないですよね。
この記事では、プログラミング教室や学習サービスを選ぶポイントと、おすすめのプログラミング教室および学習サービスを紹介します。
こちらで紹介する選び方を意識すれば、お子さんに合ったプログラミング教室やサービスが見つかります。ぜひ参考にしてみてください。
小学生向けプログラミング教室選びのポイント
プログラミング教室や学習サービスを選ぶためのポイントは以下の通りです。
子どもが興味を持てるテーマを選ぶ
プログラミング教室/学習サービスで学べるテーマは、大きく分けて2つに分かれます。
- ゲームなどのアプリを作るタイプ
- ロボットなどを組み立てて動かすタイプ
一番大切なのは、子どもが楽しんで主体的に学べるテーマを選ぶことです。
レゴなどを組み立てて何か作るのが好きな子は、ロボットを扱う教室。
マインクラフトで建築したり、冒険したりするのが好きな子は、マインクラフトを扱う教室。
といった感じで、子どもの興味や得意なことに合わせて選びましょう。
興味があるものでなければ続きませんし、プログラミングに苦手意識を持ってしまうこともあります。
体験授業でお子さんとの相性を確認してみてください。
プログラミング言語はどんな言語でもOK
プログラミング言語は、子ども向けのものから大人が使うものまで種類がたくさんあります。
子ども向けのプログラミング教室では、ブロックやタイルなどの命令を組み合わせるビジュアルプログラミング言語を使うところが多いです。
一方、英語の命令をタイピングする言語は、テキストプログラミング言語といいます。
基本的にどんな言語でも問題ありませんが、初心者の子はビジュアルプログラミング言語がおすすめです。
「どの言語を使うか」よりも、「お子さんが作りたいもの・興味のあるもの」を重視してください。
初心者の子は「ビジュアルプログラミング言語」
初心者の子は、ビジュアルプログラミング言語がおすすめです。
ビジュアルプログラミング言語は、ブロックやタイルなどの命令を組み合わせるタイプのプログラミング言語。Scratch(スクラッチ)やViscuit(ビスケット)などがあります。
タイピングがほぼ不要で、直感的にプログラミングできるので、操作をすぐに覚えることができるのが特徴。
パソコンを使うのがはじめてで、タイピング練習もこれからという子は、ビジュアルプログラミング言語を使うところを選ぶとよいでしょう。
「テキストプログラミング言語」はタイピングができるようになってから
英語の命令をタイピングする言語を、テキストプログラミング言語といいます。
子ども向けのプログラミング教室では、JavaScript(ジャバスクリプト)、Python(パイソン)、HTML&CSS(エイチティーエムエル、シーエスエス)を学べるところが多いです。
テキストプログラミング言語を習いたい場合は、タイピングができるようになってから挑戦することをおすすめします。
なぜなら、タイピングが遅いと中々先へ進めなかったり、スペルが一文字でも違ったらエラーになるのでまちがいを探すのが大変など、プログラミングの楽しさを体感する前に子どもが挫折してしまう可能性があるからです。
ビジュアル形式の言語でプログラミングの楽しさに触れてから、テキスト形式のプログラミングの勉強をはじめても遅くありません。
資格よりも実践的な学習を重視する
検定試験にチャレンジすることで、現在のプログラミングスキルを確認できたり、モチベーションが向上したり、メリットは多いです。
しかし、資格が取れるコースや教室を選んだ方がいいかというと、そうとは限りません。
理由は、試験対策に注力するあまりプログラミング学習本来の目的を見失ってしまう可能性があるからです。
プログラミングは思考力や創造力を育むための手段であり、プログラミング検定はあくまでも学習の成果を測る手段のひとつと考えましょう。
「力試しをしたい!」「受験でアピールしたい!」など、はっきりした目的がなければ、検定や資格にこだわる必要はないと考えます。
通学/オンライン/通信教育から選ぶ学習スタイル
学習スタイルは主に3つあります。
- コミュニケーションを細かくとれる通学(オフライン)
- 全国どこからでも受講可能なオンライン
- 自分のペースで取り組める通信教育
通学(オフライン)
実際にある教室に通うタイプ。
講師に直接質問できる、友だちができやすい など、コミュニケーションを細かくとれるというメリットがあります。
一方、授業料が高額なところが多い、送迎の手間がかかる、地方は教室の数が少ないというデメリットがあります。
オンライン
自宅からオンラインでレッスンを受けるタイプ。
送迎の手間がかからない、全国どこからでも受講できるメリットがあります。
最初にパソコンや通信環境を整えたり、質問をチャットやメールでする時に親のサポートが必要な場合があります。
通信教育
自宅に教材が送られてくるタイプです。
自分のペースで進められるのがメリット。オンライン授業と同様、送迎の手間がかからず、全国どこからでも受講できます。
デメリットは、進み具合を自己管理する必要あること。講師とコミュニケーションをとることができない(少ない)ので、モチベーションの維持が難しいことがあります。
親がサポートする機会が多いので、親子で一緒にプログラミングを学びたい人におすすめです。
授業料は1万円~1.5万円程度が目安
プログラミング教室の月謝は1~1.5万円くらいのところが多く、他の習い事の月謝より高めです。
人気の習い事TOP5の月額費用の平均
順位 | 習い事 | 金額 |
---|---|---|
1 | 水泳 | 6,471円 |
2 | 学習塾 | 15,362円 |
3 | ピアノ | 7,200円 |
4 | 英会話 | 8,761円 |
5 | 習字 | 3,451円 |
【参考】株式会社バンダイ「子どもの習い事に関する意識調査」
プログラミング教室は、1人の講師でみられる生徒の人数が限られるため、高額になる傾向があります。
また、入会金やロボットなどの教材費、PCレンタル料など、月謝以外にも費用がかかることがあるので、必ず確認しましょう。特にロボットは教材費が高額になりやすいので要確認です。
しかし、オンラインや通信教育であれば、通学に比べて費用を抑えて学べます。中には月5,000円未満で受講できるものもあります。
おすすめの小学生向けプログラミング教室/学習サービス4選
おすすめのプログラミング教室/学習サービスを4つ紹介します。
プログラミング教室 | 学習スタイル | プログラミング言語 | ロボット | 月額料金 |
---|---|---|---|---|
LITALICOワンダー | 通学・オンライン | ビジュアル・テキスト | 〇 | 22,000円~ |
Tech Kids School | 通学・オンライン | ビジュアル・テキスト | 20,900円 | |
デジタネ | オンライン | ビジュアル・テキスト | 4,980円 | |
Z会プログラミングシリーズ | 通信 | ビジュアル・テキスト | 〇 | 1,980円~ |
LITALICOワンダー
動画:YouTube「LITALICOワンダー」より
LITALICOワンダーは、テクノロジーを活かしたものづくりを通して、子どもの創造力を育む教室です。
プログラミングやロボット、デジタルファブリケーションといった、テクノロジーを活用したものづくりの機会を提供しています。
授業には決まったカリキュラムはなく、子どものプログラミングへの興味や習熟度に合わせて教材や課題をカスタマイズして提供するオーダーメイドカリキュラムを採用しています。
コースと主な教材、授業料は以下の通り。オンラインで受講することも可能です。
コース | 対象学年 | 主な教材 | 授業料(税込)/月 |
---|---|---|---|
ゲーム&アプリ プログラミングコース | 年長~高校生 | Scratch、Viscuit | 教室受講 :29,700円 オンライン:22,000円 |
ゲーム&アプリ エキスパートコース | 小学3年生~高校生 | Unity(C#)、HTML/CSS、JavaScript | 教室受講 :34,100円 オンライン:27,500円 |
ロボット クリエイトコース | 年長~小学3年生 | レゴ® エデュケーション SPIKE™ ベーシック | 教室受講 :29,700円 オンライン:22,000円 |
ロボット テクニカルコース | 小学3年生~高校生 | レゴ®エデュケーション SPIKE™プライム | 教室受講 :29,700円 オンライン:22,000円 |
3DCGコース | 小学3年生~高校生 | Blender | オンライン:27,500円 |
デジタルファブリケーションコース | 小学1年生~高校生 | 3Dプリンタ、レーザーカッター | 教室受講 :29,700円 |
※受講は月4回~。上記は月4回受講したの場合の金額。1回の授業時間は教室受講は90分、オンラインは60分。
※新規入塾時、入塾金16,500円(税込)が必要。
※コースによって別途購入が必要な教材があります。
授業料は、月4回の教室受講で29,700円~とプログラミング教室の中でも高額。
その分、一人ひとりに合わせてカリキュラムを設定してくれるので、「興味のないテーマや教材だった」「難しくて授業についていけない」という心配はありません。
プログラミングがはじめての人は、「ゲーム&アプリ プログラミングコース」または、「ロボット テクニカルコース」がおすすめです。
なお、プログラミングの授業を教室またはオンラインで無料体験することができます。気になるコースを体験してみましょう。
Tech Kids School
動画:YouTube「Tech Kids School小学生のためのプログラミングスクール」より
Tech Kids Schoolは、AbemaTV、スマホ向けゲームなどのサービスを手がけるIT企業サイバーエージェントが運営する小学生向けプログラミングスクールです。
渋谷校とオンライン校があり、対面またはオンラインでプログラミングを学ぶことができます。
オンライン校ではWeb会議システム「Zoom」を用いて、教室で受講するのと同じように学習できます。
- 対象学年:小学1年生~中学3年生(オンライン校は小学3年生~中学3年生)
- 主な教材:Scratch、Unity(C#)、Swift
- 受講料:月額20,900円(税込)月3回(1回 120分間)
- 教材費:月額 2,200円(税込)
- オプション:PCレンタル 月額4,400円(税込)※必要な場合のみ
子ども向けのScratchだけでなく、SwiftやC#などプロも使用しているプログラミング言語でゲームやアプリを開発するコースも用意されているのが特徴。ハイレベルなプログラミングを学ぶことができます。
デジタネ(旧D-SCHOOLオンライン)
動画:YouTube「デジタネ旧D-SCHOOL」より
デジタネ(旧D-SCHOOLオンライン)は、大人気のマインクラフトやRoblox(ロブロックス)などのゲームを使った学習プログラムで、プログラミングに必要な知識やスキルを楽しく学ぶことができるオンラインスクールです。
また、2023年春からディズニーコースが追加されました。様々なディズニーキャラクターと一緒にプログラミング的思考や基礎知識を学べます。
マインクラフトやディズニーが好きな子なら、苦手意識を持たず夢中になれるところが◎。
分かりやすいレクチャー動画を見ながら自分のペースで学習を進め、分からないことがあった場合は、いつでもチャットやメールにて質問できます。
しかも、月額4,980円(税込)ですべてのコース(100以上のコンテンツ)が受け放題。リーズナブルに学習できるのがメリット。
また、年間プラン(月々払い)にすると月額3,980円(税込)になり、年間で12,000円お得に受講することができますよ。
主なコースは以下の通りです。
コース | 対象学年 | 主な教材 |
---|---|---|
マイクラッチ | 小学1年生~ | マインクラフト/ビジュアルプログラミング |
ディズニー | 小学1年生~ | ビジュアルプログラミング |
Scratch(スクラッチ) | 小学3年生~ | Scratch |
Roblox(ロブロックス) | 小学5年生~ | Roblox/Lua言語 |
JavaScript | 小学5年生~ | JavaScript(WoofJS) |
HTML&CSS | 小学5年生~ | HTML、CSS |
ネットの世界を理解しよう | 全学年 | 動画 |
タイピング練習 | 全学年 | - |
※ マインクラフト関連のコースは、別途マインクラフトJava版が必要
別途月額料金で、講師とマンツーマンでプログラミングの学習を進めることができる「オンライン個別指導コース」もあります。
プログラミングがはじめての人は、「マイクラッチコース」と「ディズニーコース」がおすすめです。
また、分からないことがあった場合は、いつでもチャットやメールで質問できます。
しかし、質問を伝わるようにまとめなければならないので、大人のフォローが必要なことも。保護者が全くパソコンにさわれないと、苦戦する可能性があります。
また、自分で学習の進み具合を管理しなければならないので、無料体験で続けられるかどうか判断しましょう。
無料体験では全てのコースのミッション2まで受講可能
無料体験では、14日間、全てのコースのミッション2まで受講できます。
無料体験の段階で必要な情報は、メールアドレスのみ。クレジットカード情報を登録する必要がないので、有料プランへの申込みをしない限り料金は発生しません。
くわしい個人情報を入力する必要がないので、安心して無料体験を始められます。
「【デジタネ(旧D-SCHOOLオンライン)無料体験レビュー】体験可能な20以上のコンテンツ全部やってみた」では、デジタネの無料体験をやってみた感想を紹介しています。よかったら合わせてご覧ください。
Z会プログラミングシリーズ
動画:YouTube「zkaipr」より
通信教育でおなじみZ会のプログラミング講座です。
日常生活とリンクした学習テーマを設定。Z会オリジナルの教材と各種プログラミングツールを使って楽しみながら学ぶことができます。
コースと主な教材、受講料は以下の通りです。
コース | 対象学年 | 主な教材 | 受講料(税込)※ |
---|---|---|---|
プログラミングはじめてみる講座 | 年長~小学2年生 | ビジュアルプログラミング | 月額2,057円(全3回) |
プログラミングみらい講座 with KOOV(ステージ1) | 小学1年生~4年生 | KOOV® | 月額6,200円(受講料+キット代) |
Z会プログラミング中学技術活用力講座 教科実践編 | 小学校高学年~中学3年生 | VIRTUAL KOOV® | 月額4,114円(全3回)3回分一括払いの場合 |
Z会プログラミング中学技術活用力講座 コンピュータ活用編 | 小学校高学年~中学3年生 | Raspberry Pi 400(ラズベリーパイ400) | 月額4,675円(全12回)+教材費(初回のみ)17,600円 |
※「はじめてみる講座」と「Z会プログラミング中学技術活用力講座 教科実践編」は、3月一括払いで申し込んだ場合の1カ月あたりの金額
※「Z会プログラミング中学技術活用力講座 コンピュータ活用編」は、12カ月一括払いで申し込んだ場合の1カ月あたりの金額
子どもが1人で進められるようになっています。また『保護者用ガイド』など保護者へのサポートも充実。親子でプログラミングについて学びたい人にもおすすめです。
続けられそうか心配な人は、全3回の「プログラミングはじめてみる講座」から試してみてもいいと思います。
「プログラミングみらい講座 with KOOV」は、ソニーのプログラミング学習キットKOOV(クーブ)を使って、ロボットプログラミングを学べる講座です。
受講料+キット代が月額6,200円。ロボット教室に通うよりコストを抑えて学べます。
下の記事では「プログラミングみらい講座 with KOOV」で扱っている教材KOOVについてくわしく紹介しています。よかったら合わせてご覧ください。
まとめ:体験授業で自分に合った教室を見つけよう!
「プログラミング教室を選ぶためのポイント」と「おすすめのプログラミング教室および学習サービス」を紹介しました。
プログラミング教室を選ぶポイント
今回紹介したプログラミング教室
まずは体験授業に参加してみて、教室の雰囲気やお子さんの反応などを確かめてみてくださいね。