ロボットを作るプログラミング教材やおもちゃは、男の子っぽいデザインのものが多いですよね。
ソニーが開発した「KOOV(クーブ)」は、子どもたちが楽しくプログラミングやロボット制作を学ぶことができる学習キット。
カラフルなブロックを使って動物や乗り物など様々な形を表現できるので、男の子だけでなく女の子も楽しむことができる教材です。
この記事では、KOOVで実際に遊んでみた経験をもとに、特徴や使い方をレビューしていきます。
また、KOOVを扱っているプログラミング教室や学習サービスを紹介します。
※キット代、受講料などの金額は2023年2月時点のものです。
KOOVとはソニーが開発したロボット・プログラミング学習キット
動画:YouTube「Sony Global Education」より
KOOV(クーブ)とは、ソニーが開発したロボット・プログラミング学習キット。
ブロックやセンサーなどの電子パーツを組み合わせてロボットを作り、プログラミングで動きをつけます。
対象年齢は8歳以上です。
プログラムは命令ブロックをつなぎあわせるビジュアルプログラミング。プログラミングがはじめての子でも直感的に操作できます。
KOOVには専用アプリが用意されていて、ひとりで学習を進められます。
アプリでは、プログラミングの方法やロボットのデザイン方法を学んだり、レシピを選んで作品を制作することができます。
個人ではアドバンスキットとスターターキットが購入可能
KOOVには、アドバンスキット、スターターキット、ベーシックキットの3種類のバージョンがあります。
- アドバンスキット:ロボット制作に必要なブロックと電子パーツを揃えたキット
- スターターキット:最小限のブロックと電子パーツをセットしたシンプルなキット
- ベーシックキット:学校専用キット
ベーシックキットは学校専用キットです。
個人ではアドバンスキットまたはスターターキット
を購入できます。
アドバンスキットとスターターキット比較表
キット | アドバンスキット | スターターキット |
---|---|---|
希望小売価格 | 54,868 円 (税込) | 40,568 円 (税込) |
ピース | 302 | 172 |
電子パーツ | 24 | 16 |
学習コース | 4 | 3 |
ロボットレシピ | 34 | 23 |
専用アプリには30種類以上のレシピが用意されており、1ヶ月に4つ作品を作るペースなら、6ヶ月以上楽しめます。6ヶ月なら月々1万円未満です。ロボット教室に通うよりコストを抑えることができます。
スターターキット + 拡張パーツセット = アドバンスキット
KOOVには、後からブロックや電子パーツを追加できる拡張パーツセット(希望小売価格 24,068円(税込))があり、スターターキット+拡張パーツセットでアドバンスキットに相当します。
とりあえずスターターキットを買って、後で拡張パーツセットを購入することもできますが、アドバンスキットを買うより高くなってしまいます。
スターターキットとアドバンスキットどちらを買うべき?
スターターキットとアドバンスキット、どちらを買うべきか悩みますよね?
初めてロボットを作って動かしてみたいという人は、スターターキットがおすすめ。
スターターキットで作れる作品数は、学習コースとロボットレシピを合わせて30種類以上あり、十分楽しめるボリュームと内容です。
ただし、車など車輪をつけて走らせる作品を作りたい、モーターをたくさんつけて細かな動きを表現したいなど、より複雑なロボットを作りたい場合はアドバンスキットがおすすめです。
また予算の都合もありますので、価格も考慮しながら選ぶようにしてください。
家電量販店やamazonでも購入可能
KOOVはソニーの公式オンラインショップソニーストアの他に、一部の家電量販店のオンラインショップや店舗、amazonで買うことができます。
KOOVの外観と付属品
スターターキットを買ってみました。
箱は一辺が17cmの立方体。おせちのお重くらいの大きさです。
ふたを開けると一番上にスタートガイド。
その下にはコアやLED、センサーなどが入ったトレイがあります。
さらに下には、ブロックやバッテリーボックスなどが入った袋が入っていました。
KOOV以外に必要なもの
- 単3形アルカリ乾電池3本
- プラスドライバー
- アプリを動作する環境(Windows/Mac/iPad)
乾電池とプラスドライバーは、バッテリーボックスに電池をセットする時に使います。
動作環境について詳しくは、ヘルプセンターの「KOOVアプリを利用するにはどのような環境が必要ですか?」をご覧ください。
KOOVの専用アプリの使い方
KOOVは専用のアプリを使って学習を進めます。
アプリのインストールとアカウント登録(無料)が終わったら、アプリを起動してログインします。
最初に、ニックネームと年齢を入力してプレイヤーを登録。ここで入力した年齢によってふりがなが表示されます。
次に、プレイヤーの見た目を決めます。
最後に相棒を選択。3種類のキャラクターから好きな相棒を選べます。
カワイイ。
プレイヤーの作成が終わると、ホーム画面が表示されます。
アプリには3つの制作方法が用意されています。
学習コース
学習コースはロボットをつくりながら、プログラミングの方法やロボットのデザイン方法を学ぶことができます。
コースは4種類。
- はじめてのロボットプログラミング
- ブロックアーティストになろう
- ロボットのしくみをまなぼう(アドバンスキットのみ)
- プログラミングスキルをみがこう
まずは以下のステージをプレイして、ブロックの組み立て方やアプリの使い方を学ぶことをおすすめします。
- 「ブロックアーティストになろう」コース
ステージ1 はじめてのKOOVブロック - 「はじめてのロボットプログラミング」コース
ステージ1 はじめようKOOVでプログラミング
ステージ2 はじめての電子パーツせいぎょ
学習コースをはじめようとすると、ライセンスキーの入力が求められます。ライセンスキーは、スタートガイドの表紙に記載されている12桁の英数字です。
1つのコースにいくつかのステージがあり、コースマップのステージを選択するとミッションが表示されます。
ステージ毎に設定されたミッションにチャレンジし、作品を作成します。
ミッションの最初に、ミッションのゴールを確認できます。
これから作るロボットを動画で確認したり…
プログラムの流れを確認したり…
何を作るのかしっかりイメージしてから、作りはじめられるのが◎
また、初めて使う電子パーツは、解説が入ります。
初めて使うプログラムの命令ブロックにも解説が入ります。
解説は分かりやすくていねいです。
ミッションをクリアするとバッチをゲット。
集めたバッチはホーム画面にあるコレクションから確認できます。
また、登録したメールアドレスに活動レポートが届くので、子どもの学習の進み具合を確認することができます。
「はじめてのロボットプログラミング」コースと「ロボットアーティストになろう」コースの作品を作ってみました。
実際に動かして遊べるものが多く、作っていて楽しかったです。
ロボットレシピ
ロボットレシピでは、一覧から好きなレシピを選んで作品を制作します。
レシピはブロックを組み立てるだけのものから、サンプルプログラムを転送して動かすものまで様々。
学習コースの合間に遊んだり、ブロックの組み立て方やサンプルプログラムを見ながら、作品づくりのヒントを得るために利用するとよいと思います。
ロボットレシピの種類は36種類(2023年2月時点)。画面右上にある「さがす」で絞り込めます。
いくつか作ってみました。
ロボット教材というとロボットや車のモチーフが多いイメージでしたが、動物モチーフの作品も多いのが魅力的です。男の子だけでなく女の子も楽しめます。
プログラミング初心者でも直感的に操作できる
KOOVは命令ブロックをつなぎあわせるビジュアルプログラミングを採用しています。
ビジュアルプログラミングとは、英語のコードを打ち込むのではなく、ブロックやタイルの形をした命令をつなぎ合わせてプログラミングすることです。プログラミングが初めての子でも直感的に操作できます。
ドラッグ&ドロップで命令ブロックをつなぎあわせるだけなので、マウスを使えれば、操作に困ることはありません。
Scratch(スクラッチ)など子ども向けのプログラミング教材の経験があれば、何の説明をしなくても使いこなすことができるでしょう。
プログラミングが初めての場合でもすぐに慣れますし、KOOVで学んだことをほかの教材でも活かせます。
なお、個人での利用の場合、テキストプログラミングには対応していません。
しかし法人向けサービス(KOOV for Enterprise)の利用者向けには、プログラミング言語Python(パイソン)をベースにしたテキストプログラミングが学習できるサービスがあります。
KOOVを使ったプログラミング教室の中に、テキストプログラミングも教えてくれる教室があるようなので、興味がある場合は問い合わせてみてください。
シンプルなブロックの組み合わせで様々な形を表現
ブロックの形は7種類。色は半透明でグリーン、レッド、ホワイト、イエロー、ブルー、オレンジ、パープルの7色あります。
作例の写真を見た印象では、もっと種類が多いと思っていました。
シンプルなブロックの組み合わせで様々な形を表現できるのがいいですね。
また、ブロックが半透明なので重ね合わせることで、色が複雑に感じられます。
個人的にはもう少しカラーバリエーションがあってもいいかなと思いました。ピンクとか欲しかったかも。
ブロックを組み立てる時は、紛失防止のためにトレイが1つあると便利です。
必要なパーツをトレイに入れてから組み立てはじめましょう。
ブロックの組み立て方の説明は分かりやすく、3Dの部品をぐるぐる回転したり、拡大したりできます。
ブロックの扱い方は、学習コース「ブロックアーティストになろう」のステージ1「はじめてのKOOVブロック」で学ぶことができます。
「はじめてのKOOVブロック」が終わったら、ロボットレシピの「やさしい」作品をいくつか作って、ブロックを組み立てる練習をすることをおすすめします。
作品をたくさん作るので、ブロックをバラす練習もしておくとよいです。
KOOVを扱っているプログラミング教室
最後に、KOOVを扱っているプログラミング教室および学習サービスを紹介します。
- 対面で指導してもらいたい人におすすめ
KOOVパートナープログラミング教室(オフライン教室/オンライン教室)
- 学校での学びを活かしながらプログラミングを学びたい人におすすめ
Z会プログラミング講座 みらい with ソニー・グローバルエデュケーション(通信教育)
- あそびを通して好奇心と思考力を育みたい人におすすめ
CREATE by KOOV(オンライン学習サービス)
KOOVパートナー プログラミング教室
動画:YouTube「Sony Global Education」より
「KOOVパートナー」とは、ソニー・グローバルエデュケーションが定める基準を満たしたパートナー教室です。
KOOVパートナーの教室は、全国に1000教室以上。家庭教師のトライでおなじみトライグループが運営する「トライ式プログラミング教室」や、幼児教育のプロが教える「七田式教室」などがあります。
また、通学型のオフライン教室以外にも、オンライン教室もあります。
多くの教室ではキットのレンタルが可能。コストを抑えてロボットプログラミングを学びたい人におすすめです。
- 対象年齢:教室により異なる(多くの教室では小学1年生から受講可能)
- 月謝/料金:教室によって異なる(おおよそ10,000円前後)
各教室の詳細は、体験授業の申し込みページから確認してください。
Z会プログラミング講座 みらい with ソニー・グローバルエデュケーション
動画:YouTube「zkaipr」より
「Z会プログラミング講座 みらい with ソニー・グローバルエデュケーション」は、通信教育でおなじみZ会のプログラミング講座です。
毎月届く教材『みらいワーク』で、学校で学んだ知識とプログラミングを使った課題解決に挑戦。また、KOOVでロボットを組み立てて動かすことで、プログラミングの考え方や基本的なスキルを身につけます。
- 推奨学年:小学1~4年生
- キット代(アドバンスキット):Z会特別価格の24,970円(税込)
- スタンダード1受講料
毎月払い(月額):5,280円(税込)
12カ月一括払い:53,856円(税込)(1カ月あたり:4,488円)
受講料は1年継続して受講するなら12カ月一括払いの方がお得です。
なお、キット代の特別価格は、スタンダード1(1年間)の受講終了後、続けてスタンダード2を継続受講することを前提としています。
スタンダード2まで受講することが条件になりますが、アドバンスキットが特別価格の24,970円(税込)で購入できるのが魅力。また、キャンペーンでさらに安くなることもあります。
CREATE by KOOV
動画:YouTube「Sony Global Education」より
「CREATE by KOOV」 はソニーのオンライン学習サービス。
アプリで月2回配信される専用コンテンツをもとに学習を進めます。
プログラミングやブロックの組み立てを通して好奇心と思考力を育みます。
- 対象年齢:5~10歳
- キット代(KOOVベーシックキット2):16,478円(税込・送料無料)
- コンテンツ利用料
月額プラン:月々2,728円(税込)
12か月一括プラン:26,136円(税込)(1カ月あたり:2,178円)
1年継続して受講する予定なら、12か月一括プランの方がお得です。
既にKOOVを持っている場合、手持ちのキットを使って受講できます。ただし、スターターキットは追加でパーツを購入する必要があります。アドバンスキットは追加購入の必要はありません。
詳しくはサポートの「「CREATE by KOOV®」の各KOOVキット対応状況」で確認してください。
まとめ
「KOOV(クーブ)」について紹介しました。
- KOOVはソニーが開発したロボット・プログラミング学習キット。
- プログラミングやロボット製作の初心者でもかんたんに楽しむことができる。
- シンプルなブロックの組み合わせで様々な形を表現できる。
- 専用のアプリで学習を進める。
- 命令ブロックを組み合わせるビジュアルプログラミング。
実際にロボットを組み立てて動かすことができるため、プログラミングによってコンピュータがどのように動くか実感を持ちやすいのがメリットです。
InstagramでもKOOV作品の写真や動画を投稿しています。よかったら見てみてください。