2020年4月必修化「なぜ、いま学校でプログラミングを学ぶのか」

2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されます。

以前プログラマーとしてソフトウェア開発の会社に勤めていたからか、
どういうことを習うのかなとちょっと気になっていました。

本屋さんでこちらの本を見かけて、読んでみることにしました。

なぜ、いま学校でプログラミングを学ぶのか

なぜ、いま学校でプログラミングを学ぶのか
ーはじまる「プログラミング教育」必修化
出版社技術評論社
発行年月日2020/1/23
ページ数232ページ

どんな人におすすめ?

  • プログラミングを小学生から学ぶことに疑問や不安を抱いている保護者の方
  • プログラミングをどう教えればいいか分からない小学校の先生

著者について

平井 聡一郎(ひらい そういちろう)

茨城県の公立小中学校教諭、校長、教育委員会指導主事等を歴任後、2017年より情報通信総合研究所特別研究員。文部科学省「ICTを活用した教育推進自治体応援事業」ICT活用教育アドバイザー及び企画評価委員、総務省プログラミング教育事業推進会議委員を歴任。
2020年度の次期学習指導要領完全実施に向け、地方からの教育改革を目指し、ICT機器整備のコンサルティング、教員のためのプログラミングセミナーの開催等に取り組む。

利根川 裕太(とねがわ ゆうた)

特定非営利活動法人「みんなのコード」代表理事。2016年 文部科学省「小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議」委員。
2020年度から必修化される小学校でのプログラミング教育にて、子どもたちがプログラミングを楽しめる授業が日本中に広まるよう学校の先生等への支援を企業・行政と協力しながら実施している。

プログラミング教育が必修化となった背景

AIやビッグデータで社会が大きく変わる

これは、これからの社会を象徴する、非常に分かりやすい動画として紹介されています。

無人の物流倉庫で働くロボット、
3Dプリンターによって一日で完成する家、
自動運転で農作業するトラクターや道路を走行するトラック、
無人のスーパーで買い物をする人々……

今後、AIやロボットによって社会が大きく変わることが想像できます。

野村総合研究所がオックスフォード大学との共同研究を行い、
2015年に発表した資料によると、日本国内の労働人口の約半分が、
AIやロボットなどに代替される可能性高い
ことが明らかになりました。

日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に

つまり、これからの時代を生きる子どもたちは、
機械にとって代わられない知識やスキルを身に付ける必要があります。

これからの時代に求められる3つのスキル

1.コミュニケーション能力

自分の考えを他者にわかりやすく整理し、それを伝える力
他社の話を受け止め、何が言いたいのかを聞き取る力

2.クリエイティビティ(想像力)

今までの学び、体験から得た知識や技能などを関連させ、新しいものを生み出す力

3.スペシャリティ

簡単には手に入れることのできない高度な知識や技能など
⇒困難を乗り越える意欲や意識

これらの能力はこれまでの教師主導の知識伝達型の授業や、
教科書や本を読んで身に付くものではないので、
3つのスキルを身に付ける手段としてプログラミングを学ぶことになりました。

小学校プログラミング教育の目指すもの

小学校におけるプログラミング教育は、
プログラミングの操作や技術を覚えるものではなく、
プログラミングの体験を通じて、
「プログラミング的思考」を育むことを目的としています。

プログラミング教育とは、子どもたちがプログラミングを出来るようにすることが目的ではなく、
プログラミング的思考を育むことがねらいなのだそうです。

では、「プログラミング的思考」とは一体何でしょうか?
私も聞いたことがないワードでした。

プログラミング的思考は、物事の手順を分解し、
それをどのように行っていくかを考えることであり、
効率よく物事を進めていくための段取りを考えることです。

次のように簡単な言葉で言い換えることもできるでしょう。

①行動を分解する
②パターンを見つける
③大事なことに絞り込む
④手順で並べる

そして、並べた手順で実行し、試行錯誤しながら改善し、課題の解決を目指します。

論理的思考、が近い言葉なのではないかと思います。
ある目的を達成するための手順を考えたり、
問題を解決するためにはどうすればよいか、
よりよくなるのかを論理的に考える力ということです。

小学校で学ぶのは、暮らしに関連した身近なこと

プログラミングという教科が追加されるということではなく、
算数や理科など既存の教科にプログラミングが組み込まれます。

プログラミングの出来不出来で成績が測られることもありません。

プログラミング教育は特別なものではなく、米や電気と同じように、
身の回りの仕組みを理解するための学習のひとつなのです。

コンピュータが不可欠の現代において、身の回りの大事なこととして
コンピュータについて知っておかなくてはなりません。

もはや、コンピュータのことを知らずには、世の中のことを正しく認識できないからです。

米づくりや理科の実験、調理実習のような学校で出来る体験のひとつとして、
プログラミングが追加されたと考えればよいようです。

学校の先生がプログラミング教育に向いているわけ

プログラミングに詳しいエンジニアが教えた方がよいのでは?という意見は
ネットで結構見かけましたし、私も実際そう思っていました。

小学校の先生は、クラスに性格もバックグラウンドも違う個性をもった子供が
三十人も四十人もいるなかで、一人ひとりがいろいろなことを学んでいけるような
指導ができるプロフェッショナルだと思っています。

一方、エンジニアはエンジニアリングやプログラミングの
プロフェッショナルなスキルは持っているけれど、
「対子どもスキル」というものに関しては、まったくの素人です。

ここを読んでなるほどな、と思いました。
知識や技能があっても、それを教えるのがうまいとは限らないですよね。
知識と教え方、どちらを重視するか考えれば、当然教え方を取ると思います。

教材はあくまでも「ツール」であることを忘れない

平井聡一郎&利根川裕太 プログラミング対談で平井さんはこう述べています。

一番、防がなきゃならないのは、プログラミングの写経だけはやめたいね。
先生の言ったとおりやって、打ち込んで、動いた、バンザイ、で終わるような授業。
そこだけは避けたいな。

私がプログラミング教育必修化と聞いて、こうだったら嫌だなと思っていた部分です。

授業の内容は各学校の裁量によるので、学校や先生によって
温度差がかなりありそうなのも気になりました。

環境もまだ整っていない地域があるようです。

まとめ&感想

  • これからの時代、子どもたちは機械にとって代わられない
    知識やスキルを身に付ける必要がある。
  • 小学校のプログラミング教育は、プログラミングの体験を通じて
    「プログラミング的思考」を育むことを目的としている
  • プログラミング教育は、子ども達に教えることに長けた
    小学校の先生が教えた方がうまく進められる。

プログラミング教育が必修化になった背景や、目的について知ることが出来ました。
子どもたちが、これから大きく変わっていく社会に対応できるような力を
身に付ける必要性も十二分に感じます。

しかし、ただでさえ忙しいと言われている小学校の先生に、
授業の内容まで各学校の裁量に任せてしまうのは酷なのではないかと思いました。
先生たちが授業のコツをつかむまで少し時間がかかるかも……

全てを学校にお任せするのではなくて、
家庭でも日常の行動を、プログラミング的思考で考えてみるのもいいかもしれないですね。

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