わたしたちがものの長さを測るのにメートル(m)を使ったり、重さを測るのにグラム(g)を使うように、コンピュータがあつかうデータにも大きさを表す単位があります。
でも、データは目に見えないので、「何に使うの?」「どうして必要なの?」とイメージしにくいかもしれませんね。
そこでこの記事では、データ量(情報量)の単位である ビット(bit) と バイト(byte) について、なるべくむずかしい言葉を使わずにわかりやすく説明します。
データの大きさがわかると、こんなに役に立つことがありますよ
- 写真や動画がどれくらいの大きさなのかイメージできる
- ゲームのダウンロードに何MB必要か自分でチェックできる
- 「容量がいっぱいだ!」という困ったときに、自分で原因がわかる
さあ、コンピュータのデータの単位、ビットとバイトの世界をのぞいてみましょう!
コンピュータは0と1で考えている
コンピュータは電気で動く機械なので、わかるのは次の2つだけです。
- 電気が流れていない → 0
- 電気が流れている → 1
コンピュータは、この「0と1の組み合わせ(2進数)」で あらゆる情報をあつかっています。
文字や写真、音、ゲームの動きなどのデータは、コンピュータの中に入ると、いったん0と1がずらっと並んだ数字の列に変わるんです。
こうして、コンピュータが読める形にそろえています。
「2進数ってなに?」「0と1だけでどうやって表しているの?」など しくみについて もっと知りたい人は、「【子ども向け】2進数をビスケット(Viscuit)でわかりやすく解説」の記事も読んでみてくださいね。
コンピュータがあつかうデータの単位
コンピュータの中では、情報がすべて「0 と 1」に置きかわっています。
この「0 と 1」がどれくらい並んでいるのかを表すために、データの単位があります。
2進数の1ケタの情報が「ビット」
0 または 1 の 1ケタを、コンピュータの世界ではビット(bit)と呼びます。
ビットは、データ量の中で いちばん小さな単位 です。
8ビットで1バイト
ビットを8つ集めたものが、1バイト(byte)です。
例:01001011 → この8ケタで 1バイト
バイトは、文字・画像・動画など、コンピュータが情報をあつかうときの基本的な単位になっています。
【まめちしき】なぜ8ビットで1バイトなの?
8ビットが1バイトになったのには、次の2つの理由があります。
1.文字を表すのにちょうどよかったから
もともとバイトは、アルファベット1文字や記号1つを表すための単位として作られました。
7ビットあれば 128通り の情報を表せます。
この128通りの中に、英語の文字や数字、記号をすべて入れることができたため、7ビットで1文字をあらわせた のです。
これに「チェック用の1ビット」を追加して、8ビットになりました。
2.大きな会社の方式が世界の標準になったから
昔は会社によって「何ビットを1バイトにするか」がバラバラでした。
のちにIBMという大きなコンピュータ会社が「8ビット=1バイト」を採用し、これが世界の標準として広まりました。
バイトをもとにした大きな単位(KB・MB・GBなど)
よく見る「KB(キロバイト)」「MB(メガバイト)」「GB(ギガバイト)」なども、このバイトをもとにした単位です。
長さで「1000m(メートル)=1km(キロメートル)」となるのに少し似ています。
| バイト(B) | 1 B = 8bit |
| キロバイト(KB) | 1KB = 1024 B |
| メガバイト(MB) | 1MB = 1024KB |
| ギガバイト(GB) | 1GB = 1024MB |
| テラバイト(TB) | 1TB = 1024GB |
データ量の世界では1024倍ごとに単位が変わります。
「1024なんてキリが悪いな…」と思うかもしれません。
たしかに、人間は10進数を使うので 1000のほうがスッキリしています。
でも、コンピュータは 0 と 1 を使う2進数の世界で動いています。
すると、2進数で区切りが良い1024(2進数で10000000000)が、コンピュータにとってはちょうどよい数になるのです。
身近なもののデータ量を調べてみよう
身のまわりのデジタルデータが、それぞれ どれくらいの大きさか 調べてみましょう。
Windowsなら、ファイルを右クリックして「プロパティ」を開くと、サイズを見ることができます。
文字や文章のデータ量は?
メモ帳などに文字を少し入力して保存し、どれくらいのサイズになるか調べてみましょう。
半角と全角で大きさがちがう
文字には「半角」と「全角」があり、使うバイト数がちがいます。
- 半角の文字(A、a、1、など) = 1バイト
- 全角の文字(あ、ア、漢、A、1、など) = 2バイト以上
文字には、文字コードという番号(2進数の値)が決められています。
たとえば、ASCII(アスキー)という文字コードでは、
A → 01000001
という番号が割り当てられています。
半角の文字は種類が少ないため1バイト(256通り)で足ります。
しかし全角の文字はとても種類が多いため、2バイト以上が必要になります。
写真(画像)のデータ量は?
スマホやデジカメでとった写真のサイズも見てみましょう。
写真1枚が、だいたい 2~5MBくらいです。
1GBあれば、200~500まい くらい保存できます。
写真は「ピクセル」と呼ばれる、小さな色のついた四角の集まりでできています。
ピクセル1つ1つに色の情報が必要になるため、文字よりもデータ量が大きくなります。
動画のデータ量は?
スマホなどで動画をとってサイズを見てみましょう。
フルHD(1080p)の動画を1分とると、100MBくらいになります。
動画は、パラパラマンガのように少しずつ変化する静止画を連続で見せることで、動いているように見せています。
画像が何千、何万枚まいも集まっているので、動画のデータ量はとても大きいのです。
また、ソフトバンクの「データ通信量が消費する目安を教えてください。」によると、
- YouTube(標準画質)1時間 → 約450MB
- Netflix(HD画質)1時間 → 約1,300MB(1.3GB)
とされています。
ゲーム
ゲームもたくさんのデータでできています。
Nintendo Switch のゲームを例にすると、必要な容量は次のとおりです。(My Nintendo Storeより)
- マインクラフト … 1.5GB
- あつまれ どうぶつの森 … 10.2GB
- 桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~ … 2.7GB
キャラクター、マップ、音楽、ムービーなど、たくさんの素材からできているため、データ量はとても大きくなります。
まとめ
この記事では、データ量の単位であるビット(bit)とバイト(byte)について学びました。
また、文字・写真・動画・ゲームなど、身近なデータがどれくらいの大きさなのかもくらべてみました。
- コンピュータはデータを2進数(0と1)であつかう
- 1ビットは、2進数の1ケタ
- 8ビット = 1バイト
- データ量の単位は、だいたい1000倍ごとに大きくなる
バイト(B)→キロバイト(KB)→メガバイト(MB)→ギガバイト(GB)→テラバイト(TB)
昔のファミコンのゲームでは、
スーパーマリオブラザーズが約40KB、
ドラゴンクエストは約64KBしかありませんでした。
なんと、スマホでとった写真1枚よりも小さなデータ量 でゲームが作られていたのです。
そう考えると、とてもすごいことですね!











