本などを見ながらプログラミングを勉強している時、エラーをお手本とのまちがい探しで修正していませんか?
エラーの原因を見つけて修正する力は、プログラミングで不可欠な要素です。
本記事では『エラーで学ぶScratch まちがいを見つけてプログラミング初心者から抜け出そう』という本を紹介します。
この本は、Scratchでよくあるエラーを見つけて修正することで、プログラミング力を高めるための問題集です。
問題を解くことで、以下の力が身につきます。
- エラーを見つける力
- エラーを修正する力
- プログラムを読む力
- 論理的思考力
- 問題解決能力
Scratch経験のある小学校高学年以上の子や、プログラミング初心者の大人の方におすすめの一冊です。
Scratchがはじめての子向けの本は、以下の記事で紹介しています。
エラーを見つけて解決することで思考力を鍛えられる
今回紹介するのは、
(著者:中野 博幸 解説:堀田 龍也 監修:阿部 和広)
という本です。
エラーをわざと入れたプログラムを解読し、なぜエラーが発生したのか、そしてどのように修正すればよいのかを考えることで、より深くプログラミングを学ぶことができます。
また、エラーを見つけて修正方法を考える過程は、プログラミング学習だけでなく、論理的思考力と問題解決能力を鍛える絶好の機会です。
課題や問題に直面した時に、冷静に分析して解決策を見つけ出す力は、プログラミングだけでなく、日常生活や仕事など様々な場面で役立ちます。
Scratchだから論理エラーの解決に集中できる
プログラミングのエラーには、大きく分けて2種類あります。
- 構文エラー:プログラミング言語のルールが守られていない
- 論理エラー:ルールは守っているのに、思った通りに動かない
プログラミング言語にはルールがあり、そのルールを守らないと、コンピュータは理解できません。
構文エラーは、スペルミスや文法的な間違いなど、プログラミング言語のルールを守っていないコードがあると発生します。
論理エラーは、コード自体は文法的に正しく書かれているのに、思った通りに動かない場合に発生します。例えば、計算式や条件分岐が間違っている時に発生します。
論理エラーを特定するには、コードをていねいに読み解き、ロジックに誤りがないかを検証する必要があるため、よく考える練習にピッタリです。
ビジュアルプログラミング言語のScratch(スクラッチ)は、ブロックを組み合わせてプログラムを作成するので、構文エラーが発生しにくいのが特徴。
そのため、論理エラーの解決に集中できるのがとてもいいと思いました。
関連記事 子ども向けプログラミング言語「スクラッチ(Scratch)」の始め方
Scratch経験のある小学校高学年以上の人におすすめ
『エラーで学ぶScratch』では、変数の初期化や条件のまちがいなど、プログラミングでよくあるエラーが出題されます。
5つのパートに分かれており、少しずつ難易度が上がっていきます。
- パート1:変数と演算(7問)
- パート2:繰り返し(15問)
- パート3:条件分岐(15問)
- パート4:ペン・リスト(9問)
- パート5:難問に挑戦しよう(4問)
パート1~4では基本的な問題を扱っており、小学生にもおすすめです。
パート5のチャレンジ問題は、複数のエラーがあるなど、難しい問題に挑戦できます。
しかし、ふりがなが振られていないため、小学校低学年の子どもには読みづらいと感じました。
さらに、Scratchのブロックの仕様をある程度理解している必要があります。文字列や変数、リストなどの用語や概念にも理解が必要です。
そのため、この問題集はScratch経験のある小学校高学年以上の子や、プログラミング初心者の大人の方におすすめします。
問題を解く手順
『エラーで学ぶScratch』の問題を解く手順を紹介します。
1. 正しい結果を確認する
問題文に記載されている正しい結果を確認しましょう。
どのような動きをするプログラムなのかを理解することが重要です。
2. 問題のプログラムを動かして結果を見る
問題ページの下にあるScratchのサイトURLまたはQRコードからプロジェクトにアクセスし、プログラムを動かしてみましょう。
実際に動かしてみることで、問題がある場所を見つけやすくなります。
3. 問題のプログラムを見て間違っている場所を特定する
正しい結果と実際の結果を比べて、プログラムのどこが間違っているのかを特定しましょう。
ブロックの順番や、判定条件、変数がどう変わるのかなどを確認します。
4. 解決案を考える
間違っている場所を特定したら、どのように修正すれば正しい結果になるのか考えましょう。
解決策がひとつとは限りません。いくつか方法を考えてみてください。
5. プログラムを直して動かしてみる
考えた解決策を、プログラムに反映させます。
解決策が複数ある場合は、分かりやすさや修正のしやすさなどを考えて選んでみてください。
修正後プログラムを動かして、正しい結果になるかどうかを確認しましょう。
さらにチャレンジ
自信のある人は、本に掲載されているプログラムだけを見て、間違っている場所を見つけてみるのもおすすめです。
コードを一文ずつていねいに読み解く必要があるので、より思考力を鍛えられます。
エラーを特定するコツ
プログラムでエラーが発生したとき、初心者にとって原因を特定するのは難しい場合があります。
『エラーで学ぶScratch』では、エラーを特定するためのいくつかのコツが紹介されています。
- 思い込みを疑う
- 変数を表示する
- 長いプログラムは分割する
- 条件分岐は境目の値で確認する
- 乱数を使う場合には範囲を狭めて確認する
上記のポイントに加えて、以下の2つの方法を紹介します。
ルートの確認
分岐の多いプログラムでは、どのルートを通っているのか分かりにくいことがあります。
「〇〇と言う」ブロックを追加することで、どのルートを通っているのか確認しやすくなります。
コメントを入れる
長いプログラムを読んでいると、どこで何が起こっているか分かりにくくなります。
処理のまとまりごとにコメントを追加することで、プログラムの流れを理解しやすくなり、問題を見つけやすくなります。
原因特定には時間がかかる場合もあります。諦めずに粘り強く調査を続けましょう。
まとめ
『エラーで学ぶScratch まちがいを見つけてプログラミング初心者から抜け出そう』を紹介しました。
プログラムのまちがいを見つけて修正する作業をデバッグといいます。
プログラムのまちがいのことをバグ(bug)といいます。それを取り除く作業(de)なので、デバッグ(debug)と呼ばれています。
デバッグは、プログラミング学習で不可欠な要素です。
デバッグを通して、プログラミングの理解を深め、論理的思考力と問題解決能力を鍛えましょう!
下の記事では、プログラムのテスト方法を簡単な形に小学生向けにアレンジして紹介しています。テストをすることで、プログラムの間違いを見つけることができます。ぜひ参考にしてみてください。