夏休みの自由研究は、プログラミングにチャレンジしてみたいけれど「まとめ方が分からない!」と悩んでいませんか?
プログラミングのまとめなんて「何だかむずかしそう……」と思いますよね。
プログラミング作品を作った場合のまとめ方は、基本的に調べ学習や工作のまとめ方と同じです。
この記事では、自由研究でプログラミング作品を作った場合のまとめ方を、具体な例をあげながら、くわしく紹介します。
まとめ作りの参考にしてもらえると嬉しいです。
まとめの構成
基本的に調べ学習や工作のまとめ方と同じです。
- タイトル
どんな作品なのか分かるタイトルをつけましょう。
- 自分の名前
- 作ろうと思ったきっかけ
なぜ作ろうと思ったのか、きっかけや理由を書きましょう。
- 作りたいもの
どのような作品を作ろうとしたのかを書きます。
- 用意したもの
使用したプログラミングのツール(ScratchやViscuitなど)や、工作に使った道具や材料を書きます。
- 作り方(工作)
工作する部分がある作品は、作り方を書きます。
絵や写真をそえると分かりやすいですね。
- 作り方(プログラム)
①設計書
プログラムをどうやって作るのか計画を立てます。
「どのような順番」で「何の処理」をするのか考えてまとめましょう。
②ソースコード(プログラム)
プログラムのスクリーンショットを撮ります。
ScratchやViscuitなどで公開している場合は、URLも書いておきましょう。
③テストケース
プログラムが正しく動いているかチェックするための方法を考えて、どうやってテストするのか計画を立ててまとめます。
④テスト結果
テストした結果をスクリーンショットや写真を撮ってまとめます。
- 感想・分かったこと
工夫したところ、苦労したところ、次にいかしたいことなど感想を書きます。
家族や友達に使ってもらった感想もあるといいと思います。
- 参考にした本やサイト
参考にした本やWEBサイトがあれば書きましょう。
・本の場合 … タイトル、著者、出版社
・WEBサイトの場合 … タイトル、URL
調べ学習や工作のまとめ方に、7のプログラムの作り方を追加するイメージです。
プログラムを作る手順にそって作るとキレイにまとまります。
- 設計
- コーディング
- テスト
では、プログラミングの部分のまとめ方をくわしく紹介していきます。
サンプルプログラム
Scratchで作ったゲーム「ネコにげ(子どもの日バージョン)」の子鯉の処理と画面(ステージ)の処理を例に書き方を紹介します。
ゲームの内容
追いかけてくるネコにつかまらずに、矢じるしにたどり着けたら、クリア!
ネコにつかまったら、食べられて失敗……
ゲームの内容は、【ネコにげ(子どもの日バージョン)】から見ることができます。よかったら遊んだりコードを見てみてください。
設計書を書いてみよう!
実際にプログラムを作る前に、プログラムをどうやって作るのか計画を立てます。
プログラムをどうやって作るのかまとめた資料を設計書といいます。
どのような順番で何の処理をするのか考えて、文章や図(フローチャート)を使ってまとめましょう。
書き方の例:文章で書いた場合
文章で書く場合は、処理を順番に箇条書きしてみましょう。
ステージの処理
- スタート時
コスチューム「青空」を表示する
- メッセージ「クリア」を受け取ったとき
コスチューム「クリア」を表示する
- メッセージ「失敗」を受け取ったとき
コスチューム「失敗」を表示する
子鯉の処理
<ハタがおされたとき>
1.最初の位置にする
2.コスチュームを「子鯉(ふつう)」にする
3.マウスのポインターを追いかける
4.もし矢じるしに触れたなら
4-1.メッセージ「クリア」を送る
4-2.コスチュームを「子鯉(えがお)」にする
4-3.「鯉のぼり」を演奏する
4-4.終了する
5.もしネコに触れたなら
5-1.メッセージ「失敗」を送る
5-2.コスチュームを「子鯉(ホネ)」にする
5-3.「Bite」の音を鳴らす
5-4.「Lose」の音を鳴らす
5-5.終了する
<鯉のぼり(ブロック定義)>
ミ レ ド レ ミ 高いド ソ ミ ミ ミ レ ド レ
書き方の例:フローチャートや図の場合
子鯉の処理のフローチャートと、いつ・どんな画面を表示するのかまとめました。
フローチャートの書き方
フローチャート(流れ図)とは、仕事の流れや処理の手順を図式化したもので、プログラムの設計に使われています。
条件により処理が変わる場合は、フローチャートに整理すると分かりやすいです。
本などに書いてあるプログラムを作った場合
本などに書いてあるプログラムを作った場合は、お手本のプログラムを見て設計書を書いてみましょう。
ただお手本を書き写すのではなく、お手本の内容を理解したうえでプログラムを作ってみてくださいね!
ソースコード(プログラム)を貼り付けよう!
プログラムが出来たら、スクリーンショットを撮って貼り付けましょう。
ScratchやViscuitなどで公開している場合は、URLも書いておきます。
URLをQRコードにしてスクリーンショットを撮り、貼り付けると便利ですよ。
こちらのサイト「URLをQRコードに/QRコード作成【無料】 QRのススメ」でURLからQRコードを作成することができます。
スクリーンショットの撮り方
Windowsの場合
キーボードの「Print Screen」や「prt sc」と書いてあるキーをおすと、画面全体のスクリーンショットがクリップボードに保存されます。
また、「alt」キーをおしながら、「Print Screen」キーをおすと、今使用しているアプリのウィンドウのみクリップボードに保存できます。
ペイントなどの画像を編集できるアプリに貼り付けて使いましょう。
「Windows」キーをおしながら、「Print Screen」キーをおすと、画面全体のスクリーンショットが、「ピクチャ」フォルダに保存されます。
chromebookの場合
「Ctrl」キーをおしながら、「ウィンドウを表示」キー(□||)をおすと、画面全体のスクリーンショットが撮影されます。
画面の一部を撮りたい場合は、「Ctrl」キー+「Shift」キー+「ウィンドウを表示」キー(□||)です。画面の取り込みたい部分をドラッグして選択します。
表示された通知をクリックすると、撮影されたスクリーンショットを確認できます。
データは「ダウンロード」フォルダとクリップボードに保存されています。
Macの場合
「shift」キー+「Command」キー+「3」で画面全体のスクリーンショットがデスクトップに保存されます。
画面の一部を撮りたい場合は、「shift」キー+「Command」キー+「4」です。十字のカーソルをドラッグして、画面の取り込みたい部分を選択します。
プログラムを保存する
USBメモリなどの電子媒体で提出する場合、プログラムを書き出して保存しましょう。
Scratchのプロジェクトを保存する
画面上にある「ファイル」→「コンピュータに保存する」をクリックします。
Micro:bit(MakeCode)のプログラムを保存する
画面下にある「保存」ボタンをクリックします。
テストケースを考えよう!
プログラムを作ったら、テストをして不具合(バグ)が無いかチェックします。
テストケースとは、テストの内容をまとめたもののこと。
チェックするための方法(条件)とこうなるハズという結果を書き出して、どうやってテストするのか計画を立ててまとめます。
条件により処理が分かれていて、一回の実行で確認できない場合はテストケースを分けて両方のパターンをチェックするようにしましょう。
書き方の例
テストケース
条件:子鯉が矢じるしに触れる
②失敗した場合
条件:子鯉がネコに触れる
確認項目(確認すること)
<子鯉で確認すること>
- ハタをおしたとき
子鯉が最初の位置にいること … ①で確認
コスチュームが「子鯉(ふつう)」であること … ①で確認
マウスのポインターを追いかけること … ①で確認
- 矢じるしに触れたとき
コスチュームが「子鯉(えがお)」になること … ①で確認
「鯉のぼり」が演奏されること … ①で確認
- ネコに触れたとき
コスチュームが「子鯉(ホネ)」になること … ②で確認
「Bite」の音が鳴ること … ②で確認
「Lose」の音が鳴ること … ②で確認
<ステージで確認すること>
- ハタをおしたとき
「青空」が表示されること … ①で確認
- 子鯉が矢じるしに触れたとき
「クリア」が表示されること … ①で確認
- 子鯉がネコに触れたとき
「失敗」が表示されること … ②で確認
テスト結果をまとめよう!
テストケースにしたがって、テストした結果をまとめましょう。
スクリーンショットや写真などで証拠を残します。
まとめ方の例
何を確認したのか書きこんでおきます。
ケース①ハタをおしたとき(最初の状態)
ケース①の結果
ケース②の結果
提出方法は紙と電子文書どっち?
紙と電子文書、どちらでもよいと思いますが、せっかく一人一台パソコンが配布されたので、パソコンを活用してみてはいかがでしょうか?
パワーポイントなどにまとめて、紙に印刷し、ファイルを保存したUSBメモリをそえて提出するとよいと思います。
心配な場合は、夏休み前に担任の先生に確認しておきましょう。
まとめ
自由研究でプログラミング作品を作った場合のまとめ方について紹介しました。
- タイトル
- 自分の名前
- 作ろうと思ったきっかけ
- 作りたいもの
- 用意したもの
- 作り方(工作)
- 作り方(プログラム)
①設計書
②ソースコード(プログラム)
③テストケース
④テスト結果
- 感想・分かったこと
- 参考にした本やサイト