5歳から学べる知育絵本「ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング」レビュー

「ルビィのぼうけん」とはフィンランドの
女性プログラマーリンダ・リウカスさんが、
子どもがプログラミングを学ぶ糸口となるように作った知育絵本。

アンプラグドという
コンピュータを使わないで
プログラミング的思考を学ぶ教材として
小学校の授業で活用された実践事例もあり、
「未来の学びコンソーシアム
小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」
にも掲載されています。

 

好奇心旺盛な女の子ルビィが
宝石集めの冒険に出かける「絵本パート」

絵本パートで触れた考え方をより深く
体験できる「練習問題パート」を通じて、
プログラミングに必要な考え方に触れることができます。

 

今回は、絵本パートにちりばめられたプログラマー的な考え方と、
練習問題パートで気になった問題を紹介します。

これから手に取ってみようと思っている方や
買ってみたけれど、どう読んだらいいか分からない…
という方へのヒントになればと思います。

 

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基本情報


  • タイトル: ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング
  • 出版社:翔泳社
  • 発行年月日:2016/5/19
  • ページ数:114ページ

著者について

リウカス・リンダ

フィンランド、ヘルシンキ出身のプログラマー、作家、イラストレーター。

現在、プログラミングの世界での中心人物のひとりであり、
世界中の若い女性にプログラミングの基礎を教える団体
Rails Girlsの創立者でもある。

鳥井 雪

プログラミング言語Rubyを使用するプログラマー。

リンダ・リウカスが創始者の一員であるRails Girlsを、
2013年に東京で開催し、その後の日本での開催をサポートしている。

対象年齢は5歳から。大人でも楽しめます!

こんな方にオススメです。

  • 子どもにプログラミングを
    体験させてみたいけれど、何から始めればよいか分からない方
  • 大人になってプログラミングを
    学んでみたいけれど、難しそうと思っている方

対象年齢は5歳からですが、子どもだけでなく大人でも楽しめます。

 

絵本パート

イラストが可愛らしく、親しみやすい

カラフルで温かみのあるイラストで、
女の子でも抵抗なく読むことができます。

インテリアとしてお部屋に飾ってもオシャレでよさそうです。

ストーリーにちりばめられたプログラミング的思考

物語の中に、プログラマー的な考え方がちりばめられています。
いくつか紹介していきます。

 

ルビィは「こうしなさい」って言われるのがきらい。
だからはっきりしない命令を言われると、ときどきこまったことになります。

プログラミングとは、
コンピュータに向かって何を・どの順番で
やるのかを1つずつ命令すること
です。

命令は何をやるのか明確でなければ間違った動きをしてしまいます。

ルビィは「お洋服を着なさい」と言われて
パジャマの上からワンピースを着てしまいます。

「まずパジャマをぬぎなさい」という指示がなかったからと、
コンピュータのマネをしてわざと間違えた動きをしました。

 

手におえない問題は、たいてい、小さな問題が、あつまってできているのです。

分解」と「組み立て」の考え方です。

むずかしい問題は、小さく単純なことに分けて(分解)
分けた単純なこと同士の関係を整理します(組み立て)

ルビィは「計画を立てよう!」と言って、
ヒント(小さな問題)を地図を使って
整理し、行ってみる順番を決めました。

 

ペンギンたちにしつもんするときは、
もっとくわしく、こまかく言わないといけないようです。

大事なことだけを、考えてごらんなさい。
話をむずかしくする、ごちゃごちゃしたことは、わすれて、
そうしたら、いい考えが思いつく

抽象化」と「具体化」の考え方です。

抽象化とは、一番大切なところだけ残して、
いらない細かいところを気にしないようにすること
です。

反対に、情報を増やして詳しく具体的に表すことを具体化といいます。

雪ひょうはすっきりして、きちんとしたものが好きで、
色がいっぱいでキラキラした宝石にイライラしています。
色を情報に見立てた比喩になっています。

逆にペンギンたちは「宝石」という単語の
意味が通じないので、情報を増やして伝える必要がありました。

 

あなたたちは、タネまきがかり!タネの入ったふくろを持って、
畑の穴が空っぽだったら、にんじんのタネをまいて。

もし、もうタネが穴にあったら、次の穴へどうぞ。

列のはしっこまで来たら、次の列へどうぞ。

今まで言ったことを、5回くりかえしてね。

「もし~だったら」は、「条件分岐(場合分け)」の考え方です。

ある特定の条件に合うときに、特定の行動をするように命令します。

「5回くりかえしてね」は「繰り返し(ループ)」の考え方で、
同じ動作を複数回行うことです。

 

レシピは、みんなで分け合うと、もっとすてきなものになるよ。
そうして、分け合ったら、友だちになれるんだ

オープンソース」の考え方です。
オープンソースとは、誰でも自由に使えるプログラムのこと

ソース(ソースコード)とは、
プログラミング言語によって記述されたプログラムのことです。

ロボットたちは、ルビィにカップケーキのレシピを教えてくれました。
料理のレシピをネット上に公開して、みんなに作ってもらうようなイメージです。

 

練習問題パートを読み終わってから、
絵本パートをもう一度読み返すと、
より物語の理解が深まると思います。

練習問題パート

小さな子どもが一人で解くのは少し難しいと感じました。
まずは大人が、「おどうぐ箱」という解説を読んで、
練習問題の意図を理解してから
一緒に解いていくことをおススメします。

プログラム経験のない夫と二人で真面目に取り組みました。

大の大人二人が???と困惑する問題がいくつかあったので
分かりにくかった問題を中心に紹介します。

れんしゅう6:真偽(本当とまちがい)

どれが本当かクイズ。

しあわせなオジャマ虫

「わたしは、しあわせ 本当/まちがい」

「しあわせ」って何だろう……?(哲学)

「しあわせ」がどういう状態なのか分からないと判断できませんね。

例えば「笑っていたら幸せ」と具体的な条件があれば
これは「まちがい」と判断できそうです。

やってみようの部分で”本当かまちがいか、
どちらかわかりにくい言い方にしよう!”とあるので、
あえて分かりにくい問題にしたのかもしれないです。

 

れんしゅう13:場合分け

指令ボタン
ノートに、それぞれの色の指令を書こう。
ボタンをひとつたたいたら(お仕事みたいに、まじめにやってね!)
もうひとりがその色の指令の通りに動く。どれだけ速くたたけるかな?

「どれだけ速くたたけるかな?」というフレーズが気になりました。
速くボタンをたたいても、もうひとりが困るだけのような…(それが狙い?)

 

れんしゅう14:場合分け

問題は6番目と7番目の問題

れんしゅう14問題

 

画像は6番目の問題です。

トレースしてみると…
命令を順番にたどって、状態を確認することを「トレース」といいます。)

れんしゅう14トレース1

れんしゅう14トレース2

 

3回目のループの「草むしり」では、
タネを落とした後に次の穴へ移る命令がありません。
そのため4回目のループで、
3回目のループと同じ穴にタネを落としてしまいます。

最終的に、3番目の穴だけタネが2つ落とされていて、
他の穴にはタネが1つずつ落とされている状態になります。

 

解決するには、「草むしり」の命令を
「オジャマ虫をどかして、
 あいた穴にタネをおとして、
 右の穴にうつる。」
にします。
他にも解決方法があると思うので、ぜひ考えてみてください。

 

れんしゅう16:作り出す力とプログラマーらしい考え方

やってみようの部分。
ルビィのおしゃれのルールを考えて、友だちにルールを当ててもらうゲーム。

気分がよくないときは何を着ているのがいいかな

もし「気分がわるいなら」

このルールが許されるのなら、当てるのは無理な気が…

 

れんしゅう19:デバッグ

やってみようの部分。正直、意図が分かりませんでした。

手で隠すことの意味、「オジャマ虫の頭をシュッとはらっちゃって」とは
どういうことなのか……???
分かる方がいたら教えて欲しいです。

 

れんしゅう22:今までのまとめ

カップケーキカードを10枚~15枚を作ろうとありますが、
カップケーキカード係を除いたプレイヤーの人数によって
必要な枚数が変わってきますよね。

ロボットたちのマスに止まった時、
サイコロを振って出た数のぶん、
カップケーキカードが貰えるので、
まずプレイヤーの人数×6枚は必要です。

またパイソンのマスで勝負に負けた場合、
パイソンに渡す分も考える必要があります。

 

パイソンのマスのルール

パイソンは、きみに勝負をもうしこむ!サイコロをふってね。

もし2でわって余がある数が出たら、パイソンの勝ち。
パイソンはカップケーキをひとつもらって、ジャンゴと分ける。

もし、2でぴったりわれる数が出たら、
パイソンは、もってるカップケーキを、ぜんぶきみにくれるよ!

パイソンが勝った場合の
“パイソンはカップケーキをひとつもらって、ジャンゴと分ける。”
よく分かりませんでした。
ビリビリと破いて2つに分けるのでしょうか?

パイソンが負けた場合、
パイソンが持っているカップケーキカードをプレイヤーに渡すことになるので、
パイソンに渡したカードの扱いは、分かるようにして欲しかったです。

 

細かい指摘で「このくらい察することができるでしょ」と思われそうですが、
察することができないのがコンピュータの世界。

訳し方の問題なのか分かりませんが、
指示の情報が足りない感は否めませんでした。
しかし最初にあった「保護者の方へ」のページで、

同じ問題をさまざまな角度から解釈するのは、
ごく普通のことですし、なんの問題もありません。
その全部が、「プログラマー的思考法」を構成する一部なのです。

とあるので、あえて分かりにくい表現やバグプログラムの間違い)を
混ぜているのかもしれないと感じました。

読めば読むほど、ルビィのように「どうして?」が出てきます。

 

まとめ:プログラマー的な考え方を感じられる一冊

プログラムの本というと、小難しい用語の説明が多くて
拒否反応を起こしてしまう人も多いと思います。

しかしプログラマー的な考え方を
感覚的に学べる「ルビィのぼうけん」は、
とてもユニークで、子どもも大人も楽しく読むことができます。

 

「プログラミングって楽しい!」
「コンピュータと仲良くなれそう!」
と思えれば、
この絵本の目的は達成できたといえるのではないでしょうか?

プログラミング教育の入り口にぴったりな絵本だと思いました。

 

ルビィのぼうけんシリーズは、他にも
「コンピューターの国のルビィ」
「インターネット探検隊」
「AIロボット、学校へいく」があります。

 

 

\子どものプログラミング的思考を育みます/

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